いつの間にか全て目の前に並んだケーキに目を輝かせた。
「あ、優奈ちゃんのパフェもう少し待ってね。盛りつけるから」
「え、叶夢くんが盛りつけを!?」
「?うん」
「そんな…食べられないっ」
本気に聞こえるその発言に、自分が人気あることに気づいていない叶夢くんはかなり戸惑ってる。
「じゃあ、私食べるー」
「そ~ゆ~、意味じゃないしぃ!折角叶夢くん
が盛りつけてくれるんだもん…。うたにはあげないぃっ」
「はいはい」
ムキーっとでも言いそうな優奈。
そんな優奈が可愛いと思う。
置かれたフォークを持ってタルトにさす。
切ったタルトを口に持って行けば、たちまち笑顔になっていく自分がいた。
「幸せそうに食べるね」
「こっちまで笑顔になっちゃうのよねー」
そんな会話が聞こえたけど今の私はそれどころじゃないんです。
パクパク食べ続けてふと奏音くんのことを思い出す。
「ねぇ、奏音くんは?見あたらないけど…」
ずっと横にいた2人に問いかける。
あぁと声を漏らす2人。
「愛歌ちゃんにお願いしたいことがあるんだけど…
ハテナを浮かべる私。
「いいけど…」
「ありがとう。助かるよ」
更にハテナを浮かべる。
何か困ったことがあるのか、2人とも眉尻を下げていた。


