好きな音。



やっと喋ってくれて、顔を隠していた手を外す。


音也くんの瞳がしっかり私を捕らえたかと思うと。


「あーーー」
「えっ!?」


バッとうずくますようにしゃがんだ。


慌てて私もしゃがむ。


クラスの子達は、何やってんだって感じじゃないかな…。


「ちょっ、ほんとに…」
「愛ちゃん…」
「何?どこか痛いの?」


顔を覗き込むようにすると、パッと音也くんが顔をあげた。


ものすごく近くに音也くんの顔がある。


心臓がドクッてなった。


「ほんと」
「え?」
「………」
「何?」
「似合いすぎ…」
「………」
「……かわいーです」


瞬きもせずにただ見つめる。


目が離せない。