好きな音。



「あれ?」


キョロキョロと周りを見るけど、誰もいるはずがない。

木の上だもん。


「おい。下だ下」


し、た?


そぉーっと、下を見ると男の子が1人、上を、私を見ている。


「なっ」


なんでここが、と言おうとする前に男の子が口を開いた。


「見えてるぞー」
「は?」


見えてるって、何が?


………ん?
見えてる。
下から上。

まさか、パン、ツ…


やっと気がついて、バッとスカートを抑えた瞬間、バランスを崩して下に体が傾く。



「きゃあああぁぁあぁ」
「なっ」


結構高い木から、真っ逆さまに落ちていく。



ドスンっ


「ぅ…あ、あれ?」


ドスンと衝撃はきたものの、痛いと感じるほどではない。


「い、ってぇー」
「え?」


そっと目を開けると、目の前にあるのはさっきまで下にあった男の子の顔。