好きな音。



似合わないね、とは言われないだろうけど、それに似た言葉を言われたら…。


「うわ…」


うわ?うわって何!?


「……え」


チラッと音也くんを見ると、薄暗い舞台そででも分かるくらい音也くんの顔は真っ赤だった。


「音也く、」
「わーーっ!何も言わないで!!んで、こっち見ないで!!」


そう言うと、ビタンッと音がなるほどの勢いで顔に手を当てた。


「音也くん、顔赤いけど…大、丈夫?」
「………」


聞いても大きな手で顔を隠したままピクリとも動かない。


チラリと見えた耳まで真っ赤。

「あの、ほんとに大丈夫?」
「…………」
「あの」
「……大丈夫」