好きな音。



ドレスに着替えるとかなり動きにくい。

けどとっても着心地が良くてビックリした。


ドキドキしながらカーテンを開け出ると、しんとしている。


あ、やっぱり似合ってないんだ…。


まぁ、ドレスが似合うなんて思ってないけど。



衣装あわせで衣装係の子の前で着たことはあったけど、ほぼ何も言わなかったもんなぁ。


ギュッとドレスを握ると、さっきまで私がいた場所辺りからカーテンが開く音がした。


振り向くと音也くんがいた。


王子の衣装をまとった、音也くんが。



音也くんは瞳をいつもより大きく開いて、ポカンとしていた。


「愛ちゃん…」
「………」