それでも、このボロボロに作られた衣装も一生懸命作られたと思うと幸せに感じる。
「よしっ」
シャッと着替えを隠すカーテンを開けて外に出る。
外に出ると優奈がいた。
「うたぁ」
「優奈、可愛い」
「ほんと!?ありがとー♪」
エヘヘと笑ってくるんっと回った。
優奈も劇に出る。
役は魔法使い。
ドレスに変人させてくれる魔法使い。
水色の長いポンチョみたいな衣装で、フードもしっかり被ってる。
胸元についてる星が可愛いって、ずっと言ってた。
「早くドレス姿みたいなぁ♪」
「自信ないなぁ」
「なーに言ってんのぉ!絶対似合うって!!」
「だといぃなぁ」
うーんと笑うともぉっと腰に手を当てて頬を膨らませた。