忙しなく時間は過ぎ、あっという間に文化祭当日です。


そして只今、劇の直前です。



「紺野さん、痛くない?」
「大丈夫だよ」


最後のチェックで劇で一番大切な靴を履いている。


何度も履いたけど、心配みたいで履いている。


「よかった。じゃあ、衣装は置いてあるから」
「ありがとう」


手渡されたのは衣装のドレス。

衣装係の子達がとても素敵に仕上げてくれて、着るのがもったいないくらいの仕上がりだった。


着替える場所にいって衣装を見る。


「キレー」


ほぅっと息をついてしまう。


プリンセスタイプのドレス。


ふわふわしてて、キラキラして見える。


着こなせる自信、0。


その横にあるボロボロに作られた衣装を取り、袖を通す。


こっちの方がいい気がする。個人的には…。