「愛ちゃん、愛ちゃん」
「音也くん」
「俺と奏音ね、双子なの」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「………!?!?!?」
「あ、反応した」
双子?二人が?
え、確かに似てるけどうっすらだし。
「ちなみに二卵性ね」
二卵性…。
それならまぁ言い分が…。
だからって、身長まで違うもんなの!?
「めっちゃテンパっちゃってるけど…」
「頭の回転が遅いんだろ」
悪口言われてるのわかってたけど、双子と言う事実に驚くことしかできなかった。
「つーかオレうたに話したとき“誰?”って顔されたことあるわ」
「俺も」
「僕もー」
「何でお前ら、そこで不審に思わねんだー?」
「間抜けだな」と音也くんが呟いたことで、奏くんがキレてる。
叶夢くんも未来くんも「またか…」って顔してる。
きっと日常茶飯事。
一方私といったら、驚きとあまり呆然と二人も見てた。
驚きと同時に心の隅っこで、嬉しさもあった。
小さな蕾が咲いたみたいに。
1つのメロディーが浮かんだみたいに。
1つ知れたことで、幸せな気分だった。