ガサガサッ


「っ!!」


目を閉じて、おもいっきり歌っていると、どこかの木々が揺れた。


誰か、いるの?



…だとしたら、メチャクチャ恥ずかしいっ!



そう思った瞬間、バッと立ち上がって木をつかんだ。


そのまま足をかけて、木を上る。


普段私は自分でも納得するほどどんくさいけど、可笑しなことに運動神経はいい。


太めの枝に座って、息をはく。


誰かに聞かれたとしたら、もう最悪だ。恥ずかしすぎる。


フと顔をあげると、綺麗な景色が広がっている。


登った木は結構高くて、景色を見渡すことができた。


風が草、木、髪を撫でる。


気持ちいー。





「おい」
「っ!?」


気持ちよくて目を閉じようとしたら、どこからか声が聞こえた。