好きな音。



「あいか、ちゃん…」
「はい」
「…あいか」
「…はい」


ポツリポツリと呟く3人にただ返事をすることしかできない。


音也くんは声を出さずにお腹を抱えて、大爆笑してる。


笑いすぎ…。


「どーゆー字?」
「え」


まさかそんなこと聞かれると、全く思ってなかった。

奏くんは冷静な瞳で私を見てた。


「あ、愛する歌で愛歌です」
「愛する歌…。愛される歌か…」
「え?」


ぼそりと呟いた声は聞こえなくて聞き返すと、未来くんが声をあげた。


「あーそれでうたちゃんなんだぁ!」
「え、えっと優奈があいうたって間違えてうたになっちゃって」
「なるほどねー」


叶夢くんも納得したように頷いてる。


納得していいものなのかな…。

「つーか、何で言わねぇんだよ。音也」
「いつ気づくのか楽しみにしてたんだよ」
「ほぉ、内心笑ってたってわけか」