好きな音。



「遅くなり」
「遅いっ!!今日はクラスの練習はないだろ!!」
「だ、誰のせいだと!」


奏くんのせいでしょ!と言いたかったけど、叶夢くんの声で打ち消された。


「まぁまぁ、二人とも」
「ケンカしてたら、時間なくなるよー?」


未来くんの言葉で私たちはピクッと反応して気持ちを切り替えた。


「なー、俺も入っていー?」


私の後ろ、つまり廊下からヒョコッと顔を出した音也くんに3人は少し驚いたようだった。


「音也…」
「何してんだ?お前」
「愛ちゃん見に来たー」


イエイとピースを向ける音也くんに、奏くんがため息をついた。


もしかして、音也くんのこと苦手とか?


正反対すぎて?


や、そしたら未来くんもか…。