「何処行ってたのよぉ!」
「ごめん、ごめん。奏くんと話してて…」
「心配してたんだからねっ」
「ごめんったら」
ズイッと顔を近づけてくる優奈に苦笑いしながら謝る。
謝ると、優奈の目が輝き始めた。
「で?何話してたの?告白!?」
「んなわけないでしょ。劇でシンデレラ役になったこと怒られただけー」
「なぁんだ。…てか、何で起こられてんの?」
「シンデレラ役だと、練習時間減るでしょ?だからだよ」
「バンド命だね」と言って苦笑いする優奈につられて苦笑いがこぼれる。
「てゆうか、大丈夫なの?」
「んー?大丈夫、大丈夫っ」
真剣な顔で言う優奈に対して、へらっと笑って流す。
優奈が心配してくれてる。
その理由はわかってる。
でも、大丈夫じゃないなんて言えない。


