好きな音。



ふぅっとため息をつくと、ガラッとドアが開いた。


「あーっ!愛ちゃん!!」
「!?」


大声が背後から飛んできて、飛び上がりそうになった。


ぐるんと振り返ると音也くんがいた。


「音也くんっ!」
「何処行ってたの!?STも終わっちゃったよ?」
「ごめんねっ。ちょっとお説教って言うか…、お話をしてて…。ごめんね。飛び出しちゃって…」
「それは別にいいけど…。大丈夫?お説教、って」
「ハハッ。大丈夫、大丈夫!!私が悪いからね」


心配そうに聞いてくる音也くんを笑い飛ばす。


「あー!うた帰ってきた!」
「優奈…」


またドアから私の名前を呼んで飛び出してきたのは優奈。


優奈はぷぅっと頬を膨らまして私のところまで来た。