好きな音。



「うたちゃんのクラスは何やることになったの?」


叶夢くんの質問に、おもりが降ってきたようになったけど平然を装った。


「劇だよ。私が引いちゃって…」
「劇?」


私が言うと奏くんから低い声が聞こえてきた。


「?奏くん?」
「何で役決めるんだ?」
「くじ引きじゃないかな?」
「絶対…」
「ん?」
「裏方になれよ。くじ運悪そうなんだから」
「何で知って…」
「これ以上練習時間減らすなよ!」


ビシッと指差して、ギターを取りに行く。


んもぉっ!


「ほんとに奏は…」
「叶夢くん」
「奏はライブが楽しみでしかたないみたいだな」


ハハッと笑う叶夢くんを見ながら苦笑いする。


じゃれあう奏くんと未来くん。


奏くんだけじゃなく、みんなライブが楽しみで仕方ない。




実行委員の仕事も劇も、ライブも全力で取り組まなきゃ!!