好きな音。



「ただ、部室に行くことだけを考えてたから」


ハハハと苦笑いする。


そういえば、音也くんにバイバイって言って全力疾走しちゃって悪かったなぁ。


「そういえばさ、さっき俺らのクラスの実行委員に会ったんだよ」
「かーなくーん、出し物。何だと思う?」


ぴょんっと未来くんが奏くんに飛び付いて、奏くんがおんぶするような形になった。


「未来、重い」
「ねーねー」
「知らねーよ」
「なんとー、『男女逆転!メイド&執事喫茶』だって♪」
「あぁ!?」


あ、あれ引いたの奏くんたちのクラスだったんだ。


女の子たちは楽しそうだったけど、男の子たちは心底嫌そうだった。


奏くんがメイド…。


「ふッ」
「ね、面白いよね♪」
「うんっ」


元気に返事したけど、笑ってすぐに感じだ奏くんの視線が……怖い。