好きな音。



深々と謝る私とは真逆に、楽しみーと笑う音也くん。


いいのかな、と思いつつもクラスのみんなの反応が…怖い。


「みんな嫌がらないかな…。劇なんて」


俯く私の両肩をガシッとつかんだ。


「だいじょーぶだって!絶対楽しいって!」
「そう、かな…」
「だーいじょーぶ!!」


ニッと笑う音也くんに安心して、つられて笑う。


「それよりさ」
「なに?」
「いいの?」
「なにが?」
「部活、バンド行かなくて…」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……あぁぁぁー!」