好きな音。



「ほんっとにごめん!」
「なんでー?楽しそーじゃんっ」


パンっと両手を合わせて深々と頭を下げる私。



あの後、もうダッシュで会議室に飛び込んだ私たち。


「なにしてたの!」と怒る先生に謝った。


自分達の席へ向かう途中音也くんは隣のクラスの子や先輩たちにまで「何やってんだよー」とか声をかけられてた。


一方私といったら、奏くんたちのファンから睨まれるなど。


ほんとさんざんなうえに…。



文化祭の出し物が被らないように、用意されたくじ引きで『劇』を引いてしまった。


こんな準備に大変なものをひくなんて…。


それが今私が謝っている理由だった。