好きな音。



「早く行こ!」
「や、だからどこに…」
「文化祭の集まりだよ!!実行いーんでしょ、俺ら」
「……今から?」
「うん」


今は放課後。
3人に、連絡しなきゃ!


あー、絶対奏くん怒るよー。


「ごめん宮崎くんっ、ちょっとメンバーに連絡してもいいかな?」
「いいよー♪そっか、紺野さんvocalなんだっけ!」
「うん、そーなの」


返事をしながら携帯の電話帳を開く。


奏くんの名前のところで、親指の動きを止めて電話をかける。


機械音の流れる携帯を耳にあて、待つ。


3コールくらいでプッと、機械音が止まった。


『どうした?』
「あ、奏くん。あのですね…」


かくかくしかじかと説明した瞬間


『はぁっ!?なに考えてんだ、お前は!!』
「ご、ごめんなさいっ」


携帯から耳から離しても聞こえるような罵声が飛んできた。


「ごめんね。誰もやる人いなくて…」