奏くんが怒るところを想像して、ブンブン頭を振る。
絶対なりたくない!
やるつもりはないけど。
「立候補ー、いませんかー?」
立候補とか絶対いないと思うなー。
机に肘をついてグラウンドを見る。
どのクラスも実行委員を決めてるだろうから、グラウンドには誰もいない。
「じゃー推薦はー?いないー?」
困ったような声を出す委員長が、可哀想なってきてしまった。
たぶん中学の頃の私なら、すぐさま手を挙げたと思うけどバンドの事を思うと不可能だ。
「これ決まらないと帰れないよー」
委員長の声にみんなが「えー」と声をあげるけど、手を挙げる気配はない。
「大変かもしれないけど、誰かやってみてー!」
………。
「誰か…」
あー!もー!!
「私やる」
ガタンっと席を立って手をあげる。