好きな音。



てゆうか、さっきのヤキモチって言うより、なんか対抗心みたいなものだよなー。


奏くんの曲に比べたら、私のなんて全然だと思うし…。

比べる必要ないんじゃ…。


一人でもんもんと考えていると奏くんがこっちを見てることに気がつく。


「お前、カイになに聞いた…」
「へ?」
「さっき未来に押さえつけられてる間だよ」
「あぁ!奏くんが音楽が大好きってことだけど」


そう言うと、バッと叶夢くんの方を向いて眉間に皺をよせる。


「お前、もうちょっと言い方ってもんが」
「違わないだろ?」
「……」


ぐっとつまる奏くんは、また私の方を向く。


「確かにオレは音楽が好きだ。

演奏するのは楽しいし、曲を作ってる時間も楽しいからな。」

そう言う奏くんの顔をいきいきしていて、本当に好きなんだってわかる。


「そうやって…」
「ん?」
「大好きだから。楽しいから、奏くんの作る曲を歌ったら私まで楽しくなっちゃうんだね」
「……」