好きな音。




数十分後。


「おつかれー!二人とも♪」


言い合いを終えたところに、未来くんと叶夢くんが音楽室のドアを開けて入ってきた。


「……み、未来、叶夢っ」
「…はぁ、はぁ、はぁ」
「やっと終わったみたいだね」

肩で息をする私たちを見て、二人は呆れ顔。


「お前ら、どこ行ってたんだよ」
「なんで息あがるくらいまで、言い合いするかなー?」
「お前らがいつまでたっても、終わる気配がないから、たぶん喉乾くだろーってことで、水分買いに行ってたんだよ。ほら」
「うたちゃん、だいぶ叫んでたけど喉とかだいじょーぶ?」


奏くんにポイッと水を投げる叶夢くん。

心配そうに私の顔をのぞきながら、水を渡してくれる未来くん。


「ふー。大丈夫だよ!ありがとう」
「どういたしまして♪」