「あの、ほんっとうにピアノ弾いたことないし、作曲も…」
「まだ嘘つく気か!?」
誤解を解こうとしたのに、遮られた。
その瞬間、頭の中で何かがキレた。
「だから…」
「んだよ。また嘘を…」
「しつこい!ピアノ触ったことなんて、生まれてから今日までいっかいもなかったし!作曲も!必死で悩んでさっきの曲作ったの!!歌もただ好きなだけって言ったでしょ!?そんなしょうもない嘘をいちいちつくわけないでしょう!?」
今度は私が遮るように言う。
頭きた!
嘘嘘嘘嘘って!
そんな面倒臭いこといちいちしないわよ!!
「信じれるわけねーだろ!作曲したことないやつが、いきなりあんないい曲作れるわけねー!!」
「知らないわよ!そんなこと!作ったことないって言ったらないの!!」
「――――!」
「――――――!!」
それから、この言い合いは数十分続いた。


