好きな音。



そう言うと、奏くんはどんどん怖い顔になっていく。


「んなわけねーだろ…」
「え?」


あれ、奏くん震えてる?

奏くんはボソッと呟くと、例えるならワナワナと肩を震わせている。


「あの…」
「なんなんだよ、お前!」
「……は?」


ずっと肩を震わせている奏くんに声をかけた瞬間、漫画で言うならぐわっと怒りだした。


「作曲したことないとか言いながら、あっさりいい曲作ってやがるし!ピアノ弾いたことねーとか、ぜってー嘘だろ!?あんなプロ並みに弾きやがて!」
「いや、ほんとに弾いたことな…」
「それにただ歌が好きとか、どー考えても嘘だろ!?どっかで習ったりしてただろ!?今までにオレが作った曲、あっさり覚えて歌いやがるし!」
「……」


ほめてんの?見下してんの?

どっち?


いや、てゆーかほんとに奏くん?


いつも見下すようなクールな雰囲気はどこにもない。

いや、見下されてる感はあるけども。


なんか、ただの俺様?
話聞いてたら、負けず嫌いにも聞こえてくるんだけど…。