「はぁー」
「なにため息ついてんだ」


バシッ


「ぁだっ」


思わず出たため息をつくと、何かで頭を叩かれる。


「奏、くん…」


振り向けば、私を見下ろす奏音くん。

手には紙の束が丸めて、持たれている。


「ため息つくな。空気が汚れる」


よ、ごれ…。


「な、んですってぇ!」
「事実だ、事実」
「くぅっ」


悔しくなっている私を無視して、入っていくのは私たちの部室だ。


それに続いて私も、歩いていく。



「あ、うたちゃんっ♪」
「早かったね」


部室に入れば、笑顔で迎えてくれる、叶夢くんと未来くん。


「二人も早いね」
「担任の話いつも短いからね」

まだ3日してないのに、優しい二人のおかげで、すぐに仲良くなれたと思う。


奏くんは違うけど。