好きな音。



「私は「あれっ、うたぁ?」


愛歌と繋げようとすると、窓から聞こえてくる、聞き覚えのある声。


窓の方を見れば、外から私達を見ている、優奈とその彼氏、梓くん。


「優奈…」
「ちょっと、ちょっとぉっ!何でその三人といるのよ!!」
「へ?」


ビシッと私を指差す優奈。

何の話…。


「なーんーで、学校1有名なその三人といるのよぉ!?」
「…学校1有名?」
「そぉそぉ、この間お弁当の時に話したじゃない」
「……」
「忘れてたでしょっ!三人はvocalを探してて、vocalになりたい女の子が殺到してるって」
「………」
「10月の文化祭でするであろう三人の演奏は、今からすごく注目されてるって」
「…………」


いろいろ説明してくれる、優奈の声はドンドン遠くなっていく。


そーっと後ろを振り向くと、爽やかな笑みを浮かべている三人。