やっぱり?
やっぱりって、どうゆう…。
「そんなことより、どうするんだ」
「どうするんだと言われましても…。なんで私が?」
「お前の声はいいからな。歌も上手いし、堂々としてる」
「……」
「それに、あの少しの時間で歌詞変えただろ」
「……」
「あの歌詞の方が、この曲にはあってた。いいと思う」
なんか、すごく誉められてる気が…。
「どうだ?」
「………私は」
「ん?」
「ただ、ただ歌が好きなだけなんです」
俯きながら小さく言う私の話を、三人が真剣に聞いてくれてる気がする。
「歌が好きなだけで、それだけで。自分が上手いとかもわからない。歌詞だって、パッと思いついて、勝手に変えて…。堂々と歌えてたのかも分からない」
「………」
「………」
「………」
「だから…あの、えっと…」
「…楽しかった?」
「え?」
「歌ってるとき」
「……」
「オレは楽しかった。楽器の音が重なるのが。お前の声と、一体化している感じが…。お前は、どうだった?」


