「うーたっ♪」
顔を上げると、お弁当箱を持って満面の笑みで私を見ている親友、優奈。
優奈は授業が終われば、ものすごい速さでお弁当を持って私のところに来る。
「早く食べよ~♪」
「はいはい」
うずうずしてる優奈に、返事をして4時間目の授業で使った教科書を、机の中にしまって鞄からお弁当を取り出す。
優奈はもう、前の人の机を私の机にくっつけてお弁当の包みを広げてる。
「うわぁ!!うたのお弁当、今日も美味しそー!!」
料理が得意な私は、かなりこるから優奈の反応はいつも同じ。
「ちょーだい、ちょーだいっ♪」とねだる優奈におかずをあげて、話し始める。
「いいかげん、その“うた”ってのやめなよ」