好きな音。



俺様風男の子は、目を伏せて考えるようにしてから顔をあげ、私の方に歩いてくる。


「なぁ」
「はい」
「お前には、このチームの入って、vocalになってもらう」


は?


「あの、言ってる意味が…」
「そのままだ。それ以上も、それ以下の意味もない」
「……」


なんつー、俺様よ!

意味がわかんないってーの!!


怒りが顔に滲み出そうになっていると、優しそうな男の子が優しく説明してくれる。


「あのね、俺たちみての通りバンドやってるんだけど、vocalがいなくてね。それでvocalを募集したりしたんだけど、なかなか思い通りの子がいなくてね」
「そしたら君を見つけたってわけっ♪」


優しいそうな男の子の後ろから、ピョコンっと顔を出して言う可愛い男の子。


「そう、なんですか」
「へぇ。やっぱり知らなかったんだぁ」