好きな音。



たぶん、めちゃくちゃ怒ってる。


「てめ、笑ってんじゃねぇよ」
「いやー、まさか兄貴が着るとはな」


やっと笑いが収まった音也くんが、ヘラッ笑って言う。


「15年間一緒にいるけど…、いやー似合ってるよ」
「ざけんなよ、てめぇ」


ギッと睨むけど、全く気にしない様子。


「ね、愛ちゃんもそー思わない?」



ニコニコしながら聞いてくる音也くんに、さっきよりも強く心臓が跳ねる。



「ぁ、うんっ。すごく可愛いと思う」
「だよねー♪」
「愛歌…」


劇のことは、気にしなくていいのかな?


少しもやっとしたけど、すぐに振りはらう。