好きな音。





「あたしに奏音くんのメイド姿を!!」



それか…。

てか、なんで興奮してんのよ…。


呆れ気味に優奈を見て、はぁとため息を吐く。



ツカツカ奏くんに近づく。


私が近づいてきたことに気づき、私のほうを見る。



バチッと目があって、何故かそのまま睨み合う。


「奏くん、それ着ないの?」
「着ねぇ」



表情一つ変えずにスパッと言い切る。



「みんなに迷惑になるんじゃない?着たら?」
「オレが着ないことで迷惑になるとは思わん。未来も叶夢もいるんだ、別にいいだろ」



断固拒否する。

とでも言うかのように言う奏くんに、少し、イラッとする。



「せっかくの文化祭なのに?」
「知るかよ。オレはライブするために今日来たようなもんなんだよ。文化祭を楽しむために来たわけじゃねぇよ」



奏くんの言葉に何かがぷつっと切れた。


せっかくの文化祭なのに…。


てゆうか、私こんなに短気だったけ?