好きな音。



ガラッとドアを開けながら言う未来くん。


意味が分からず聞き返せば、


「入れば分かるよ」


と言って教室に入っていった。


「………」
「………」


優奈と顔を見合わせた後、ゆっくりと教室に向かった。



■□■□■□■□■□■



「………………」
「…きゃぁっ」

「ね、分かったでしょ?」


目を輝かせて幸せそうな声を出す優奈の横で、未来くんの問いにこくんと頷いた。



ぽかんとする私の前にいるのは、未来くんが今現在しているフリルのカチューシャをつけている奏音くん。


ついでに言えば、不機嫌度MAXの表情でメイド服の前に腕を組んで座っていた。


「…ふっ」
「………」


奏音くんがすごく可愛く見えて、つい笑うと無言で、しかもものすごい形相で睨まれたからフイッとそらした。



「かぁーなぁー!もういーじゃんっ。店行こーよー」
「行かねぇ」