好きな音。



「ごめんね、遅くなって」 
「むしろ早すぎだと思うけど…」
「そっかなぁ?」
「そうなのよ…」


確かに今日は早いほうかな…。

食べ終わるの、優奈と数分違いだったし。


「じゃあ、ちょっと来てくれる?」


そう言った未来くんの後を歩く。

ちょっと深刻そうな顔をした彼。


何があるんだろう…。


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未来くんについて行くためにお会計をして、教室…お店を出る。


しばらく歩いて着いたのは空き教室。



たしかここは、未来くんたちが着替えるための教室…。



実行委員として何度か来たことがあった。


「未来くん、」
「ん?」
「ここに何かあるの?」


聞けば眉間にしわを寄せる。


今日原因不明で何度も同じような表情をしている。


「何かがあるんじゃなくて、何とかして欲しいんだぁ」
「は?」