「じゃ、俺達仕事再開するから、食べ終わったら呼んでくれる?」
「うん、わかった」
ヒラヒラ手を振って持ち場に戻る2人を見てから、手に持つフォークをまた動かし始める。
ふと視線を感じてケーキから目を離して顔を上げると、驚いたように私を見てる優奈。
「な、何?」
「うたは、」
「ん?」
「甘いもの食べてるとき、何も耳に入らなかったのに」
「へ?」
「……」
「そうだっけ?」
「……」
「そんなことなかったと思うけど…」
うーんと唸りながら、またケーキにフォークをさす。
「……うた」
「……」
「………」
「………」
「………ほらね」
はぁと呆れたようにため息をついたこと、私は知らない。
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「未来くーんっ」
「あっ、」
少し大きな声で近くにいた未来くんに声をかける。
パタパタと走ってくるメイド姿の未来くんを、めちゃくちゃ可愛いと思うのは私だけじゃないと思う。


