「なんでいるの???」



すると、翔太は言った。



「さっきは悪かった。」


悪かったって・・・。



誤れても・・・。



「明日香、俺とプリとろうぜ。」



翔太とプリ・・・。



翔太の初プリは蛍なんだよね。



明日香じゃなくて・・違う人・・・。



それがすごく嫌だった。




「嫌だ。明日香、健二ととることになってるから。今日は何も話したくない。」



最初はなんとなく逃げようと思っていたが、あとから本音がこぼれた。



「分かった。じゃあ、また明日な。」



なにが分かったの???



普通、止めるでしょ。



待てって。



「ゴメン、トイレ長くなっちゃって。」



健二は明日香のテンションが下がっているのと悟って笑わせようとする。



「あははは。じゃあ、とろっか。」



明日香の無理笑いに、健二は気づいていた。


カシャ。カシャ。



たくさん笑った。


それは、決して無理笑いではなくても、心が晴れない。


「もうそろそろ帰ろう。」



うん・・・。明日香がそう返事する前に健二は明日香の手を引いてゲーセンを出た。



「じゃあ、ココで。」



駅前で別れた。



健二の後姿が見えた瞬間、今まで我慢してきた透明な液体が明日香の大きな目から流れ出た。



家に帰る頃には、涙も止まっていた。



少し目が赤い気がする。



「ただいま。」



「お帰り、遅かったわね。」



お母さんがそういった。



それを無視するかのように、2階に上がった。



「メェルきてるかな。」



メェル受信2件。



受信 翔太

本文

おい、まだ健二と一緒なのか???今日はマジでゴメンな。また、今度一緒にとろうな。