たいせつなモノ

「ママ~多輝ダンスするわ!!!」




家に着くなり私は




お母さんにそう言った。




「いきなり何やねん。




今までダンスしとたやんか。」




さすがにお母さんはびっくりしたようで




声がひっくり返っていた。




「ちゃうねん。あんな…」




私は今まで悩んでいた事、




愛里に言われた事、




図書館で調べた事を全部話した。




「多輝、スタジオに通うって事は




どういう事かわかる?




毎日決まった時間に行かなアカンし




レッスンさぼったらアカンし




先生のいう事きかなアカンねんで?




今までみたいに




好きな事だけはできひんねんで?」