目を覚ますと、天井が真っ白だった。
薬の独特のにおい

ピッ……ピッ……となる機械音

病院?





「…うっ…っ……ようっ…」



「姉貴…?」



「陽!」





こんなに目を赤くして……
どうしたんだ?

……俺が倒れてこんなに泣くなんて。
医者が俺の脈を測って出ていった。






「…ったくなに泣いてんだよ!!っ姉貴たちらしくねぇじゃん」





嫌な予感はどうして的中してしまうんだろう。
どうして、夢にならないんだろう?

泣き止まない姉貴たち。
俺は酸素マスクを外して、姉貴たちに虚勢を張った。





「陽!?」



「姉貴、俺なら大丈夫だ。……だから話してくれないか?」





クラクラする。酸素不足…。
俺は静かな決心した目でいちばん上の姉貴
紗雪を見つめた。

俺の目を見て、一度深呼吸した紗雪。





「陽…っ この先何があっても…私たちは支えるからね」





頷いて、優しく微笑んだ。
もう一人の姉貴…千紗は泣き止めないでいる。

俺はそっと、千紗を抱きしめた。
なだめるように背中をトントンと叩く。





「大丈夫…。大丈夫だから。泣くなよ。な?」





紗雪は強い瞳で俺を見る。
負けないくらいの強い目で姉貴を見た。





「陽は…っ癌なのよ…っ」