「っ…ごめん…。悪かった。」
「本当のこと聞かせて?嘘ついたら舌引っこ抜くよ」
あんまりにも可愛い絢の言葉に、
笑いがこぼれた。
やっぱりいいな。
俺が好きになったのが絢でよかった。
「笑った……」
「自分への嘲笑だよ。舌抜かれるのは怖いな。」
俺は、全部絢に打ち明けた。
ごめん
ごめん
何度も心の中で謝って…。
初めて後悔した
絢のため
自分のため
絢を手放したこと。
でも、それは絢を苦しめて泣かせただけだった。
「そばにいろ」
「絢はずっとそばにいる」
それは、
17歳の秋から冬に変わる季節だった。
この時
俺たちはまだ、たったの17歳。
生きる意味も
死ぬ意味も
知るには早すぎる、歳だった。
「ごめん…っ絢…泣かせて」
「ううん…陽といられたらいい…っ」
高校生の俺たちの恋愛は
ままごとの延長かもしれない。
でも
真剣なんだ。
俺は
限られた時間の中で一生分の恋をしている。
未来を探しながら
生きる意味
答えを探しながら…