もう一生出会うことはない。

最高の人たち。



…優、ありがとう。
絢との未来を築いてくれて。

…絢、ありがとう。
こんな俺を想い続けてくれて。

…由美、ありがとう。
いつも心の支えになってくれて。






「大切にしろよ。」



「ああ。なぁ、俺が優に嫉妬してたの知ってた?」



「なにを?」



「俺はほら、親いねぇし愛も何もわからなかった。でも優は両方持ってたじゃん」



「ずっと羨ましかったよ。何もしなくても輪の中心にいて、太陽みたいに笑ってるところ」






優には一生敵わない。

この屈託なく笑う顔や
優しさ

人の好さ。






「さぁて、最後のお仕事をしようかな」



「なんだよそれ」



「お前はわからなくてもいい!」






俺は気づかなかった。
優の何かを決心した静かな目に…。

気づいたのは
優の意味ありげな微笑み




病室を出て行った優の背中。

やっぱりどこか悲しげだった。