ちゃんと“笑顔”でいる。


笑顔を想ってもらえる存在に。



あいつの中の俺が
いつまでも笑顔であるように

あいつの想い出す俺が
太陽のような存在であるように



俺がいつまでも記憶に残してもらえる人に
なるために。





「絢はさ、俺と別れることになったらどうする?」



「えっ?」



「や、マジになんなよ」






俺は安心した。
この後の、絢の言葉を聞いて…。

いつまでも守ろうと思った。
だけど
絢なら大丈夫。






「悲しいけど、陽がそうしたいなら絢はそれを受け入れることになるよね。考えたくないけど、気持ちがないなら別れるのが一番ベストだよね。お互いに」






ちゃんと別れも受け入れられる。

心配しなくて済む。
俺は…
絢に愛されて幸せだった。






「絢、別れよう?」



「……やっぱり」



「気づいてた?」





頷いた絢は、悲しげな瞳で俺を見ていた。

そんな目をするな…。
頼むから、泣かないでくれ。


こんな俺のために

涙を流さないで…。






「……好きな女ができた」





理由を聞いてくる絢に
最低な嘘をついた。



俺を・・・嫌えばいい。

矛盾している。
思い出してほしいと願うくせに、俺を嫌えばいいと思ってる。


いや、嫌われたいんじゃない。
俺に未練が残らないように・・・。