俺は言葉を続ける。
『俺の我が儘を聞いてほしい。
俺のために料理を作ってほしい。
俺の隣で笑ってほしい。
すごく贅沢な我が儘だってことくらい百も承知だ。
だけど俺には、零が必要なんだ。』
俺の胸の中で零はまた泣き出した。
ただ黙って俺は零を抱きしめていた。
もしかしたらフラれるかもしれない。
それでもいい。
想いを、
このどうしようもないくらいの想いを、
伝えることができたから。
零が俺の腕からすり抜ける。
そして
「私にも…先生が必要です。」
と、言った零は俺に触れるだけのキスをした。
あまりにビックリした俺は目を開けたままで、
「目…くらい閉じてよ。」
と、零に言われた。
俺、実はキスするのが怖かったんだ。
別れを告げられたあの日、
初めて零にキスを拒まれた俺は
そのことがトラウマで自分からキスをするのが怖くなった。
でも今のは反則だな、零。
俺が怖くてできなくなったことをお前はやっちゃったんだ。
俺のスイッチを押しちゃったんだ。
もう…止めらんないよ??


