2年記念日。

当日に
どうしても会いたくて
優飛さんの最寄り駅に
帰宅するであろう時間から、
ずっと待っていた。



これが最終電車だ!


駅のホーム
誰ひとりいなくなった。


明日も来てみよう!
タクシー乗り場へ歩いていると

絶対
聞き間違えない声が聞こえてきた。



「 思櫻さん聞いてください。
今日は記念日だったんすよ。
でも
あいつの気持ちが重くって
ずっと辛かったんすよ。
ムリってメールしたんです。
やっぱ
オレには
思櫻さんみたいな年上がいいっすよ! 」



あわてて
階段のかげにかくれて見ていた。

ちょっと離れているのに
ここまで声が聞こえる
酔っている優飛さんを初めてみた。



「 はいはい
わかったから
ちゃんと歩いてよ。 」



二人はタクシーに乗り込んだ。
タクシーは
優飛さんのマンションへ走って行った。



ずっと大好きだった。
今も大好き。

二人の気持ちを形にしたブレスレットは
優飛さんの左手から消えていた。



私と優飛さんは
終わったんだと
ちゃんとわかった。



愛という
形のないモノに
二人の形にしたモノを外すという答え。


この日で終わらせてくれたことが
優飛さんらしくて
泣きながら笑えた。





end