しばらく高木に引っ張られながら向かった場所は一つのお店だった。
外からだとよく分からないが、なんだか高そうな店だ。
何をする気なの?
高木を見上げて見てもあいつは一向にこちらを向かないので、何を考えているか検討もつかない。
そのことが腹立たしくて眉間に皺を寄せていると何の躊躇もすることなく高木は店の中へ足を踏み入れた。
高木に続いて中に入った私は、入り口で足を止めた。
え、なに....ここ....。
高木と手を繋いでいた私が、足を止めれば必然的に高木も止まるわけで。
「おい、なにしてんだ。」
「え、いや、ここ.....どこ....?」
「あ?どー見たって服屋だろ。」
「いやまあ、」
それはそうなんだけど。


