ニヤニヤしたこの男を振り払おうとするがやはりここは男女の差。
こいつの手の握る力が強すぎて振り払えたものじゃない。
つーか痛いから離しなさいよ。
そう思っても顔を赤くしてワタワタしている私は冷静に言えるわけもなく。
「う、うるさい!!離せ!バカ!!」
そんな幼稚な言葉しか言えなかった。
ここがどこか人気の少ない場所だったなら私も少し冷静になって対処していただろう。
だけどここは、結構大通りな道で。
人がたくさんいるわけで。
皆、見てるっ!!!
冷静さを失った頭の中では道行く人、皆が自分達を見ているような錯覚に陥る。


