先へ進もうとしてもぞろぞろと集まってくる女。
こんなんじゃ先へ進めねえ。
ぞろぞろと集まってくる女に対して比例するように俺の苛々は募っていった。
「陽一ってば―――。」
「うるせえ。」
遂に我慢が出来なくなった俺の口からは、普段より何倍も低い声が出ていた。
それに驚いたのか目を見開いて固まる女達。
皆が皆同じ反応な為、物凄く気持ち悪く見えた。
俺にそんな気持ち悪いもん見せてんじゃねえよ。
そんな反応にさえ苛ついた俺は目の前にいる女を一睨みした。
それにビクッと体を揺らす女。
「退け。」
そんな女に一言俺が浴びせれば一人、二人とどんどん道を開けていった。
その出来た道を躊躇する事なく俺は歩いて行った。


