なんかあいつに借りを作ったっていうのは少し、いやかなり不服だけど。
いやでもあいつが勝手にやったことだし借りも何もないわよね。
・・・。
「はぁ・・・。」
なんか気分悪くなったし、今日は大人しく帰ろう。
そう思い、帰路につこうとしたが
「っちょ!何!?」
誰かに腕を引っ張られた。
でも、顔見なくても誰が私を引っ張ったかなんてすぐに分かった。
何度か捕まれた事のある力強くも暖かい腕。
だけどその腕はやっぱり少し強引で――。
「...高木。」
ぽつりと呟いた名前は彼に届かずそのまま彼は歩みを進めた。


