「和希、おせぇよ」


その人は私から目を離し、和希さんに声掛ける。


…や、やっぱり和希さんだ…!


こんなに早く会えるなんて!


私の身体の熱が上がっていく。


「ごめんごめん。でも、まだ時間…って、お客さん?いいの?」


和希さんはその人に向かって疑問を投げ掛ける。


「…あぁ。めんどくせぇし、いい」


「……?」


さっきから何なのかな…。


いいだの悪いだの。


「真弥がいいならいいけど…。――あ、すみません、ダーツ楽しんでくださいね?」


「は、は、はいっ」


突然私の方に視線が向いて、少し焦った。


でも、その焦りなんてすぐに消えてしまう。


私は和希さんに目を囚われていた。


和希さんのキラキラ笑顔だ…。


ドキドキドキ…


鼓動が速まると共に、会えたことが嬉しくてテンションが上がっていくのを感じる。