「っていうか…いなかったのって、これ取りに行ってくれてたってこと?」 「まさか。他に取ってくるものがあったんだよ。それは、ついでだ」 「――ですよね。そういうヤツよね、あんたって」 「何?それ、いらねぇのか?」 真弥さんの手が、私の目の前に伸びてくる。 「ととととんでもない!ついでで結構です!」 私は咄嗟に、後ろに身体を下げる。 「ふ。慌てすぎだろ」 真弥さんは口元に手を当てる。 ……笑ってる…? ちょっと、ちょっと。 真弥さんの笑顔とか、珍しい。 見てみたいじゃん。