―――うっ!


不覚にも、心臓が跳ねてしまう。


いや、負けちゃダメだ!


何故か変な対抗心が生まれてしまう。


必死に私も睨み返した。


身長差があるから、完全に見下ろされていたけど。


「……あんた、」


そう、その人が話し出した時、


「あれ?真弥、早いね」


お店の入り口の方から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「っ」


この声…!


ドキン、ドキン、と速くなっていく鼓動。


私は恐る恐る、声の方を振り向いた。