「!」


視線を感じた。


その方向に私は目を向ける。


つい今ダーツを投げたその人はいつの間にか、私の存在に気付いていたようで、私のことをじっと見ていた。


「―――…」


しばらく見つめ合う形になる。


さっきほどではないけど、私を見定めるような鋭い目だった。


でも、私も負けじとその男の人を見つめる。


整った顔。


背も高めだし。


…結構カッコいいかもしれない…。


そう見定めていると、その人が無表情なまま口を開いた。


「……あんた、誰?」


「!あっ、あのっ…えと、きゃ、客ですっ」


私は慌てて答える。


「――あ、そ。……まぁ、いいか」


全く興味なさそうな答え方。


それに、まぁいいか、って何…?