「二の腕固定で、肘から先を前に向かって伸ばす」 「――!」 真弥さんが私の肘と手首を掴み、動かす。 「とにかく、ダーツボードを指差すように腕を伸ばせ」 ふいに手首を前に引っ張られて、私はよろける。 「いたっ!」 「……大袈裟だろ」 呆れたような声。 「急に腕引っ張るからでしょ!?」 「……弱。女ってめんどくせぇ…」 「じゃあ、構わなければ…っ」 いいじゃん! …とは言わなかった。 だって、ダーツ当てたいし。